もすぅちゃん雑記☆ミ

自分が吐き出したいことを思うがまま書き出す雑記ブログです。

ネタバレなしで「本好きの下克上」読後感想。

小説投稿サイト「小説家になろう」でweb小説として2013年9月から連載開始。2017年3月に677話で完結した作品『本好きの下剋上』。※現在もサイドストーリーや番外編更新中。コミック化や書籍化もされている今作です。

書籍 コミック

この読書感想をネタバレなしで今回は語りたいと思う。

 

本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~

 本が好きで、司書資格を取り、大学図書館への就職が決まっていたのに、大学卒業直後に死んでしまった麗乃。転生したのは、識字率が低くて本が少ない世界の兵士の娘。いくら読みたくても周りに本なんてあるはずない。本がないならどうする? 作ってしまえばいいじゃない。目指すは図書館司書! 本に囲まれて生きるため、本を作るところから始めよう。

 上記、概要を元サイト原文まま引用。

 

まず最初に言わせて。

めっちゃ泣いた。

何に泣いたって、この「本好きの下克上」っていうタイトルをみたらわかるように「本が好きすぎてガンガン下克上しちゃうお嬢さんのお話」なんだけど「本が好き」という描写以上に家族愛や友情、人と人との繋がりがしっかり描写されているのがこの作品の特徴で最初から最後までそういった部分がすごく丁寧に書かれているのよね。

様々な出会いと別れの中でそれでも自分の目標(もちろん本関係)に突き進んでいく主人公。このぶれない生き様と強さに何度心打たれたか。

 

 

この作品もなろう小説系作品の例に漏れず、いわゆる「転生系」というカテゴライズになります。

「ああ、転生系かー。じゃーいっかなぁ」

「どうせ主人公最強で俺ツエーしちゃうような作品でしょ?」

って思っている人ほど是非読んで欲しい作品。

 

まず、他作品の転生系に比べて珍しいのが

  1. 女性主人公(転生前もしっかり女性)という事。
  2. 主人公最強ではない。むしろ最弱からのスタート。
  3. ファンタジー要素中心でもない。
  4. 女性らしい作品。(ココ重要)

という事。僕はこの作品の前に「転生したらスライムだった件」や「蜘蛛ですが、なにか?」、「オーバーロード 」「無職転生」などなど書籍化されているような有名な転生系読んできました。どの作品もとても楽しく読まさせてもらいましたが、この作品はどの作品とも似て似つかない異色な作品です。

 

まず「女性主人公(転生前も女性)」という点。意外と少ないよね。なんか男から女に転生しちゃって、どこか男臭い女性が主人公みたいなのはよくみるんだけど、ここまでしっかり女性視点で書かれてる作品ってそこまで数を読んでないのもあるけど、珍しいと思いました。

 

次に「主人公最強ではない。むしろ最弱からのスタート。」という点。ほんと最弱。「え、これ最後まで生きていけるの」って心配なるくらいの最弱。最初は「主人公、大丈夫かな…」って心配する意味でも最初読み進めてた思い出があります。

 

「ファンタジー要素中心でもない」という点。中世ヨーロッパのような世界が舞台で、その話のほとんどが人と人との付き合い方が多く描かれてます。

 

そして、ありとあらゆる点で「女性らしい作品」でした。乱暴な描写が極力少なく構成されていて読んでいて安心できます。可愛いものや綺麗なものがよく登場したり、そういうところに気を使う描写が非常に多いのも特徴。

また歯切れの良い、芯の強い良い男性・女性の登場人物が多くて魅力的です。登場人物は多いのですが、どれも話が進むキャラがしっかり立っていき、きっと誰でもこのキャラが好き!っていうのが出て来るだろうなぁって思いました。サイドストーリーとか他キャラ視点のお話とかあるのでそういうのも面白い。まぁ最終的には皆大好きになったけどね!

人物以外にも独特の専門用語や地名が多々出てくるのですが、すんなり頭に入ってきます。おそらくその用語に対しての補填・注釈がしっかりされているおかげもあるのかなと思ったり。

 

あとやっぱり何が最高だったっていうと、やっぱり主人公です。読んでいて飽きさせない子です。終始危なっかしくて目が離せない。登場人物達もそうだったんだろうなぁって思いながら読んでました。読んでたらあっという間に本編を読み切ってしまった。そんな作品でした。読後感も最高でしたし。

一回記憶を消して、もう一度最初から読みたいって思った小説は久しぶりです。

 

 

「本好きの下克上」の魅力をネタバレで語ってみましたが、これ以上は本編に触れていかないと語れそうにないのでここまでに。もし語ってもいいのでしたら「このキャラのこの台詞と覚悟がよかった」「このキャラが可愛い」「このキャラが格好良い」「この主人公をとりまく、この人達が最高に愛おしい」てな具合にいくらでも語れそうですが、なろう小説にかぎらずweb小説が溢れかえってるこの世の中、ネタバレありで語っちゃうと、それだけで読んで満足しちゃう人がいそうな気がして(僕自身がそういう考えの人だから)あまりしたくないんですよね。だから、もしネタバレありの感想でするならネタバレ注意とデカデカと書いて、してみたいと思います。

 

最後に「本好きの下克上」風に感想をまとめると、

「神に祈りを!」

 

 

※原稿用紙5枚分の感想になってしまった。最後まで読んでくれた方に感謝を。